ジュリーと女友達

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 ■  最近の若い人達が極普通に、当たり前のように昭和のことを昭和時代なんて呼ぶのを耳にすると、何だかそれが江戸時代とか室町時代とか鎌倉時代とかと大差ないように聞こえて、自分がまるで生きた化石みたいな妙な気分になる。  そういう風に、受け止める世代によってはすでに歴史になってしまったかのような、私が悩める青春時代を生きた昭和の話。──当然インターネットもスマートフォンもなかった。その頃の電話といえば家の黒電話か街の公衆電話で、じゃあ、その頃はどうやって人と外で待ち合わせをしていたっけ?……と色々思い出しても、そうたいした不便はなかったように思う。  それとテレビゲームなんていうものもなかったし、自宅にそうそう独立した個室があるわけでもない。だがら夜になると家族全員でテレビにかじりついて、歌番組やサザエさんやドリフターズを見るというのが自然の流れで、それはそれで良き時代だった──。
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