雪下君

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帰りの電車で雪下君は顔が青いのに加え、呼吸がすごく乱れて汗も出ていた。 「和田。」 ずっと黙りっぱなしだった雪下君が私を呼ぶ。 「本当に一緒にいて楽しかった。」 うん、わたしもだよ、そう返すと雪下君は力なく笑った。今日初めてのデートですごく楽しかったのに、なんでこうなっちゃたのだろう。 いつもはまた連絡するねって言ってくれるのに今日はなかった。 このときは特に気にしていなかった。ただ言わなかっただけなんじゃないかって。 この日を境に雪下君は連絡が途切れてしまった。
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