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「ねぇ。」
「ん?」
「なんか、ときめきあった?」
「んーーーー。特には。」
「だよねー。」
話すことも特に無くなり無言でパンケーキを食べる。
「なぁ。」
「ん?」
「パンケーキ美味しいの?」
パンケーキ食べに来たのにブレンドコーヒーしか飲んでない正面にいる同僚は甘いものが苦手な訳じゃない。
「甘いもの好きなくせに何でパンケーキ頼まなかったの?」
「恥ずかしいから。てか俺、甘党ってなんで知ってるの?」
「いっつも甘い菓子パンしか食べないくせに、よく言うよ(笑)」
「…。」
「ん?どした?」
「あ、いや、なんかさ。」
「うん?」
「初めて言われたし初めてバレた、甘党って。」
「は?あんな甘い菓子パンしか食べないくせに?」
「デートで菓子パン食べないだろ。」
「今までの彼女、甘党って知らなかったの?」
「外食したらブレンドコーヒーしか飲まないからな。」
「かっこつけてるから…。」
「いや、そうじゃなくてさ。今日みたいに恥ずかしくて頼まなかったから。」
「そっか。やっぱ、かっこつけてる(笑)」
「ああ、もう、良いだろ///それで。甘党って知られたことが、なんかときめいた、気がする。」
「それだけで?」
「ああ。」
「すっごい単純!」
「うるさいなっ。」
プイッと目を背けブレンドコーヒーに口をつける同僚がなんだか可愛かった。
「ごめんごめん。でもさ、初めてのデートで、ときめき感じたなら凄い収穫だよ。」
「だよな。なんかこだわりすぎなくても良かったんだなー。悩みすぎたか。」
「何気ないことが、ときめきに繋がりましたとさ。」
「わ、なんか終了みたいな言い方w」
「だってさ、お互いにときめきを知れたんだし。これ以上はまずくない?」
「「恋に落ちるから」」
二人の声が重なった。
もう、この時点できっとお互いに恋に落ちていたのだろう。
二人の恋は言うまでもなく、この後…加速する。
“ときめき”を、ありがとう。
TKMK39。
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