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「今は普通だね。でも優くんと同じで、感情が激しくなると目だけが鳥になるのかもね。」
「はあ。自分じゃわからないんですけど。」
「まあね。さっきの有李斗くんは、それどこじゃなかったろうから、わからないと思うよ。」
【自分じゃ、わからない事ばかりだ】
先生との会話中も、隣にいてくれている優は、手を握っていてくれている。こんなにずっと自分の傍にいてしまったら動きにくいだろうと思った。そして、今、いつものような距離でいても大丈夫なんだろうかと頭を過った。そっと優から手を離してみる。
「優、悪いけど、冷蔵庫にある水を持ってきてもらえないだろうか。」
有李斗は、いつも決まったミネラルウォーターを冷蔵庫へ入れてある。それを頼んでみた。
「じゃあ、僕が…。」
先生が気を遣って取りに行ってくれようとした。
「先生、まだあるんで。」
「優、水とチョコ持ってきて欲しい。やっぱり何かお腹に入れたいんだ。」
「いいけど、チョコはダメなんじゃない?」
「そうだね。チョコはちょっと。」
「じゃあ、水だけでいい。悪いな。」
「でも…。」
「多分、大丈夫だから。」
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