第5章【同種に・新しい生活②】

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 「有李斗?こうなるのわかってて何で試したの?」  【知ってたのか】  「無理しなくても何日かすれば大丈夫なのに。こんなになってまで我慢しなくていいのに。」  「いや、だって…これじゃあ、お前トイレにも…行けない。食事だってゆっくり…したいだろうし、やりたい事…もあるだろ?俺にずっとくっ付いてたら…できない。」  震えは止まってきたが、涙は次々流れてくる。  「泣かないで有李斗~。僕は有李斗の傍にいるのが一番幸せなんだよ?もし許されるのなら、ずっとこうしていたい。そのくらい一緒にいたいのに。何でそんな事気にするの?もう、こんな事しないで。こんなに震えて。自分を苦しめるような事しないで。次にやったら怒るからね。」  「ああ。」  こんな少しの距離しか離れなかったのにダメだった。しかも、優にまで怒られた。しばらくはこのままで甘えさせてもらおうと反省をした。  「有李斗くん、何でそんなに我慢しちゃうの?僕だったら甘えまくっちゃうのになあ。だって、自分が動かなくてもみんなが良くしてくれるんだよ?王様気分でいたらいいのに。」  先生は、ヘラヘラしながらフレンチトーストの続きを食べていた。     
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