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「そう言えば、今は目、光らなかったねえ。少しは症状が治まってきたのかなあ。それとも部屋だからかなあ。」
「う~ん、どうなんだろう?」
先生と優は少し考えていたが、答えは見つからなかった。
有李斗の真面目な性格のおかげで途中ちょっとあったが、その後は静かにしていた。部屋のインターホンが鳴り、多田と大が戻ってきた。
「お待たせしました。私たちもここに泊らせてもらおうと思いまして。準備をしてきたので少し遅くなってしまいました。有李斗さま、どうです?」
荷物を置いて、寝室に顔を出す。
「ああ、大丈夫だ。悪いな手間ばかりかけさせて。」
いつものように受け答えをする。
「いいえ。やはり、こちらにいる方が落ち着いているみたいですね。」
「うん、そうだね。自分ちだしね。」
優が答える。
「なあ~。これかあ?噂のクマのやつ~。」
大がソファにあるクマのぬいぐるみを持ってきた。
「あ~、もう~。大~、ソファに置いといて~。ダメだよ~。」
「ああ、悪りぃ。そんなにむくれた顔すんなよ。だって、お前動けないんだから、聞くには持って来なきゃ見てもらえないじゃん。」
そうブツブツ言いながら『はい、はい』というような顔で元あったソファに戻した。
【そうなんだよ。こうしてたら簡単な会話だって成立しなくなるんだ】
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