第5章【同種に・新しい生活②】

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 遠くを見るような目でボソッと言う。  「もうしないから」  そんな会話をしていると、  「僕も手伝ってくるよ。フレンチトースト美味しかったよ。今度またお願いね。何かあったら呼んでね~。」 先生はそう言って、大たちのところへ行った。先生はやはり大人で、いつもみんなの事をよく見てくれるし、さりげない行動も多い。自分が元気になったら、一度はきちんとお礼をしたいと有李斗は思った。  「う~ん。有李斗?」  先生も部屋からいなくなり2人きりになった。その途端、優が有李斗の名前を呼び、ジッと見てきた。  「僕は、怒ってます。何で、あんな事するの?さっき、もうしないって言ってよね?次にしたら怒るよって言ったよね?」  多田たちの前で手を離そうとした事を言ってきている。  「だって、会話しづらいかと思って。」  「そんなの理由にならない。本当に手錠とかしちゃうよ?」  「だから、さっき謝ったっ…」  優がキスをしてきた。  「お仕置き。僕の言う事聞かなかったお仕置きだから。」  いつもなら逆の立場なのに、今日は優からされている。優の性格から考えると、顔を赤くしながらしてきているわけではないので、本当に、腹に据えるものがあってしてきていると有李斗はわかった。     
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