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「いや、絶対大丈夫じゃねえだろ。いくら優秀でも、犬や猫を拾ったのと理由(わけ)違うんだからさあ。」
大は呆れて頭を掻く。
「村岡さま。落ちていたというのは些かあれではございますが、停めていた車のすぐ近くに倒れておりました。あとは、そのまま連れてきましたので息をしている事くらいしかわかりかねます。」
「了解です。すみませんねえ。有李斗がまた。ねえ。」
「有李斗、お前がその説明を言えよ。子供じゃねえんだから。」
「いや、こちらが言わなくても、診て診断を下すのがお前の仕事だ。こちらは単に連れて来るだけでいいだろう。」
「全然よくねえよ。」
大は【本当に、こいつはどうしようもねえなあ】と思いながら診察室へ連れて来た。
「お前は、ここで待ってろ。」
有李斗と多田は診察室の前で待つことになった。
1時間くらい経っただろうか。診察室から大が出てきた。
「入っていいぞ。」
診察室のベッドの上には少年が寝ている。
「さてと。まず、診断な。診断は、栄養不足と脱水症状くらいかな。それに、薬物反応がないのになかなか目を覚まさないってのもあるから、何か精神的なものもあるな。で、次ぎな。有李斗、お前、ヤバイもん拾ってきたな。」
「ヤバイもん?」
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