第五幕 夢見る少女たちの戦地

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「じゃあ歌?」 「う~~ん、音痴だとマズイけど、アイドルの歌唱力は、そこそこでイイと思う。そんな本格的な歌、誰も求めてないし」 「結局さあ、アイドルファンなんて、見た目でしょ」 「そっかあ。じゃあファンがつくかどうか?」 「それもあるけど、上に行けるかどうかは、プロデューサーかディレクターに気に入られるかどうかなんじゃないの? 言っちゃうとさ」 「だよね。結局、そこだよね」 「それって……。彼女彼氏の関係、てこと?」  すると、みんなは顔を見合わせて、ニヤニヤと笑った。 「そういう娘もいるみたいだけどね」 「そうなの?」 「ウワサはいろいろあるしねえ」 「けど、それは一部だと思う。それがメインじゃないし」 「じゃあ……、どゆこと?」 「なんつうか……。肉体関係にならずに、上手くオジさんに気に入られるヤツ、てのがいるんだよ。愛人の関係にならずに、コビ売るのが上手いヤツ」 「そおそおそお! 自分から積極的に、しかもさりげなく話しかけてさ」
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