115人が本棚に入れています
本棚に追加
/278ページ
映画祭は終わり、パーティーも終わって。あとは帰るだけ。
大河ドラマのクランクインがせまっているし、テレビ出演のオファーも殺到している。雑誌のインタビューや対談の企画などなど。この後のスケジュールはいっぱいだ。
深道監督がまた肉体関係をせまってきたが、無視した。映画が完成し、受賞した今、もうあの男に付き合うメリットはない。しつこく付きまとおうとしたが、事務所がつけてくれたボディガードが追い払った。マネージャーが「セクハラで映画界から追放するぞ。ハリウッドのミートゥー運動みたいにな」と脅したので、もう近づいてはこないだろう。
あの男はもう用済みだ。次のターゲットは海外だ。
ハリウッドの女好きのプロデューサー。
彼らに気に入られて、大作の主演女優の座を射止めたい。
男がどういう生き物かはよく知ってる。チョロイものだ。
アメリカの男でも、落とす自信はある。
最初のコメントを投稿しよう!