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最後に組み分けで、燐香は空組のCチームに入れられた。
メンバーは8人。燐香を入れて9人。二十代が3人、十代が5人だ。
リーダーの緒方百合の提案で、親睦会と称して、食事に行くことになった。
それぞれ他愛ない雑談をして、自分の近況を語る。
「アナタどうやってスカウトされたの?」
「いいなあ。すぐに上に行けそうだね」
と二十代の二人が、嫉妬まじりに言ってくるが。
「ないない。べつにお気に入りじゃないから。私の父が、プロデューサーの息子さんが就職した会社の人事課長なの。それで裏からチョコット頼んだだけで。だからお義理で空組に入れてもらえただけだよ。それだけだから、まあ、この先はないよ。実力と運次第。みんなと同じで」
と燐香は自分の待遇を説明した。
これは捜査本部の管理官が考えた設定である。
「そうなんだ? へええ~~」
「みんなこそ、どうなの? 今のとこ、チャンスとかありそう?」
「どうかなあ~~? 最近メンバーが固定されてきたからなあ~~」
「だよねえ。上に行く娘は、みんな行ってるからねえ」
「それは、歌が上手いから? それともダンス?」
「ブレシスならダンスは必須だけど、他は関係ないんじゃない?」
とちょうど二十歳のメンバーが言う。
ブレシスとは、ダンスメインのストリート系ユニット《ブレイク・シスターズ》のことだ。
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