第五幕 夢見る少女たちの戦地

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 最後に組み分けで、燐香は空組のCチームに入れられた。  メンバーは8人。燐香を入れて9人。二十代が3人、十代が5人だ。  リーダーの緒方百合の提案で、親睦会と称して、食事に行くことになった。  それぞれ他愛ない雑談をして、自分の近況を語る。 「アナタどうやってスカウトされたの?」 「いいなあ。すぐに上に行けそうだね」  と二十代の二人が、嫉妬まじりに言ってくるが。 「ないない。べつにお気に入りじゃないから。私の父が、プロデューサーの息子さんが就職した会社の人事課長なの。それで裏からチョコット頼んだだけで。だからお義理で空組に入れてもらえただけだよ。それだけだから、まあ、この先はないよ。実力と運次第。みんなと同じで」  と燐香は自分の待遇を説明した。  これは捜査本部の管理官が考えた設定である。 「そうなんだ? へええ~~」 「みんなこそ、どうなの? 今のとこ、チャンスとかありそう?」 「どうかなあ~~? 最近メンバーが固定されてきたからなあ~~」 「だよねえ。上に行く娘は、みんな行ってるからねえ」 「それは、歌が上手いから? それともダンス?」 「ブレシスならダンスは必須だけど、他は関係ないんじゃない?」  とちょうど二十歳のメンバーが言う。  ブレシスとは、ダンスメインのストリート系ユニット《ブレイク・シスターズ》のことだ。
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