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遥かなる神話の時代、人々は天地創造を歌に謡い、荘厳な幻想の景色を絵画に描いた。
ある者は言った。海の終わりは、大いなる滝となって流れ落ちている、と。
またある者は言った。世界の淵は四人の小人によって支えられているのだと。
幾星霜の時を経て、いつしかそれらは伝説となり
まことしやかな真実として、ながく人々の間で信じられてきた。
とある命知らずな探検家たちによって、水平線のむこうに広がる雄大な陸地の存在が発見されるまでは……。
神話は現実に、未知の世界は既知の航路へと変わった。
――……大航海時代の幕開けである。
名も無き忍者の青年が、極東のせまい島国を懸命に駆け、そして死んだ十六世紀の世界とは――そんな胸躍る夢と冒険と野心とが、黄金の輝きをはなつ莫大な富をたきつけに、燃え滾る火山の熱風のごとく世界中で吹き荒れる時代であった……。
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