適当な説明【伍】

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山賊との戦で闇の呪を酷使し、血の池に沈む白夜を。 朝陽は生死確認の末、無反応な白夜を見、仏なんだと思い、「来世で幸せになってくれ」と、その場を去ろうとします。 「ーー来世、なんかっ……要ら、ない……」 「……生きてたの?」 返事をした白夜に、朝陽は驚愕。そして助けようとしますが、拒絶され、白夜は白夜で立ち去ろうとしますが、そこでぶっ倒れて。結果、朝陽は孤児院に連れて行き、運良くいた小鞠(小鞠は医者)に白夜の処置を頼みます。 そして処置後、小鞠は自分の推理の元、朝陽にきつい忠告をしました。この子は恐らく相当深い訳有りの自殺志願者だから、関わるのは宜しくない。今までとは訳が違う的に。 朝陽は何とかすると忠告を跳ね退けますが、小鞠は心配から怒り、けれど朝陽はそれでも引かず、責任は自分が持つと白夜を自室に運びます。 そして、白夜が起きた時に名乗った上で会話を試みますが、全くの無反応。名前を何度聞いても、案の定無反応。 心が挫折感を燻らせ始めた時に、少しの会話が出来、けれど白夜は孤児院から出ようとします。 せめて、家まで送っていくから家はどこだ、家族は? と聞く朝陽に、白夜は家なんか無い。家族も昔からいないと。 そしてさっき、名前を聞かれても何故名乗らなかったか。その理由も吐露します。 「もう、誰かの思い出にはなりたくない」、「名前を覚えてしまうと、それはどんな形であれ思い出として刻まれてしまう。だから名乗る事は出来ません」 それを聞き、辛そうな表情で返事を模索する朝陽に「その優しさを無駄遣いしないで」と、伝え、去ろうとします。 が。
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