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けれど、白夜のそんな想いは届かず、必死な努力も虚しく、
朝陽は琴葉の闇に呑まれると言うか、流されてしまいます。
琴葉は、婚約者を殺害した暗殺者が自分を狙ってると。狂言を吐いて、朝陽に縋ります。
朝陽の隣には白夜がいたから。 戻って来たのに肉体関係だけは断固として断られ続ける。その時、既に朝陽は白夜が好きだったから。
琴葉はそれを女の勘で気付き、自分に向けさせようとした。
白夜が少なからず朝陽に向いてるのも気付いてたからこそ、余計に。
それで皆がその狂言に振り回される中、白夜だけが真実に気付いてた。それは嘘だ、狂言だと。
理由は簡単でした。琴葉が「紅蓮の死神が~」と口にしたから。紅蓮の死神は、白夜の梟首衆にいた頃についた異名ですね。はい。
そうです。過去に、白夜は琴葉の婚約者を仕事で暗殺していたんですね。
だから、白夜は朝陽に伝えた。あれは嘘だと。だけど、朝陽は全くと言っていい程、信じてくれなかった。
その紅蓮の死神とやらから、琴葉さんを守ってやるんだと。
白夜はその時、朝陽にそう言った過去や素性を明かしてなかったから。勿論、その時既に朝陽と関わっていた弥一達も白夜の生い立ちについては一切、口外はしていませんでした。
それ故に、過去を明かすしか道はなかった。
だけど、見捨てられ不安が人数倍強い白夜にはどうしても、それが出来ず。過去を明かす=朝陽に、皆に畏怖され、嫌悪される可能性が高い。琴葉の一件で余計にその確率は跳ね上がってしまいましたしね。
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