1人が本棚に入れています
本棚に追加
ある日の夜、幕張の劇場、数名の美術スタッフがたわいのない会話をしながら、舞台の設備を取り外していた。
「しかし、最近の声優さんは、大変だな~。歌って踊って、アイドルと一緒だよな。」
「そうだな。今日のヤツなんて、キャラクターのお面つけて出てる子だっていたぜ。」
「プロ意識ってやつだろうなそれは…………んん?」
1人のスタッフが、何かを踏んだ。
足を上げて見ると、そこには、ドロドロに溶けた黒ずんだピンク色の塊が、へばりついていた。
それは、ちょうど「お面の声優さん」の立ち位置に落ちてあった。
ポタリポタリと。
最初のコメントを投稿しよう!