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牧人君は、私が泣き止むまでずっとそうしてくれた。
私がやっと泣き止んで顔をあげると、牧人君は優しい笑顔を見せてくれた。
「私、プレファーちゃんがいいの。プレファーちゃんじゃなきゃダメなの」
「そっか」
言葉はそっけないけれど、口調はとても優しかった。
それから、どちらからともなく、二人で公園の方を見た。
秋の夜はつるべ落としなんて言うけれど、絶対に冬の方が暗くなるのは早いよ。
だって、私達がその小さな公園を抜けた時には、辺りはもうすっかり暗くなっていたんだから。
公園の中央にある外灯が微かに雪の表面を照らしているけれど、どう見ても一面真っ白で、私達の足跡が仄かに分かる程度だった。
きっとプレファーちゃんは、落とした勢いで雪の中に埋もれてしまっているんだ。
今頃、寒いよぉって泣いているかも‥‥‥
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