透明色のサイダー

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サイダーを飲みながら、木陰に見つけたベンチに腰掛けて色々なことを話した。 水泳のこと。最近ハマってるドラマ。最近付き合い始めたらしいクラスのカップル。夏休み明けのテストのこと。進路のこと。 ずっと話していたくて、もう気の抜けた甘ったるいサイダーをちびちび飲んだ。 山岸はもうとっくに飲み終わっていたけど、私が飲み終わるまで待ってくれているらしかった。 眩しそうに目を細めて太陽を見上げながら、「夏だなぁ~!」と何度か山岸が言った。 「そりゃ夏だよ」と私は返した。 それは紛れも無く夏だった。
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