透明色のサイダー

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…なーんだ。カノジョ、いたんじゃん。 恋か友情か分からないなんて言っておいて、この喪失感は紛れもなく失恋じゃないか。 なんだか、どうしようもなく、虚しい。 遠くに見える2人の後ろ姿に、透明なサイダーをかざしてみた。 …こんな、どうしようもない気持ちは、サイダーに溶かして、溶かして、溶かしきってしまえ。 溶かしたら、全部飲み込んでしまえ。 私の中に全部全部しまい込んで、そうしたら、 きっと明日からはまた普通のトモダチだ。
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