1 夢ならば

4/6
前へ
/228ページ
次へ
高速道路の分岐を海沿いの道へ進むと、二車線が一車線に変わったせいか急に道幅も狭く感じる。 「この先で横浜横須賀道路に合流するんだよな」 カーナビの指示通りに進んでいるものの、少し不安な声を出す慶ちゃんに 「パパ、迷子なの?」 と大樹が言う。 「違うよ、大丈、夫…」 慶ちゃんの声が途切れた直後、「うわーっ!!」という絶叫と共に、急ブレーキを踏む音。 同時に車が急に方向を変え、私たちは左右に振り回される。 「なに?!」 「キャー!!」 助手席にいる優芽の悲鳴と耳を劈くようなブレーキ音。 同時に車体に何かがぶつかった衝撃が起こり、その瞬間窓ガラスが割れて巨大な何かが車体の上に激突してきた。 咄嗟に左側でジュニアシートに座っていた大樹に体ごと覆いかぶさろうとした所で、私の記憶は途切れた。
/228ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加