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8.電車男にはなりたくない
前のエントリが微妙に混乱気味なので少し落ち着きます。
他の人には大したことじゃなくても、俺にとってアレは事件だったもので。
ワタル(仮名)が俺を街に連れ出した理由は「着せ替えしたいから」だった。
「電車男になる気ないんだけど」
「俺だって電車男を改造するネット住人になんかなりたくないよ」
「じゃなんで?」
「自分で着せ替えするの飽きたから」
「は?」
「だってミツル(仮名)って全然俺と違うタイプだし。何やってもマトモに見えるし。ちょい研究させてよ。いろいろと。ミツル(仮名)みたいなのが好みな子って割といるのが悔しいんだよなー、色々と」
「……じゃあのオタク系な子と付き合う時はツトム(仮名)で研究したりした?」
「したした。語らせると止まんないよねあいつ。でもすっげぇ世界広がって楽しかったなあ。メイド喫茶行ったことある?」
「…………」
完敗。言葉続かなかった。
だけどツトム(仮名)とメイド喫茶ってのは引っかかった。ああいうお店のメイドって三次元女性だと思うんだけど。向こうが二次元を演じている限りは可なんだろうか。
服屋をうろつく男2人の構図は相当変だったと思う。しかも当初の目的は何処行ったやら、やっぱり俺、電車男にされたし。変わるつもりなんかないのに、本当に。それとも本人自覚ないけど実は相当ヘンだったのか。
普通より上にすごいがいる。俺は普通でいいけど、すごい人から見れば普通は悪いのだ。当たり前なんだけど。ワタル(仮名)は恋愛の沸点は低いけどファッションに対してはそれなりにスキル持ちだってことは、認めざるをえない。
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