no_sex_is_life

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9.戦闘スタート  ワタル(仮名)は食べ物の好き嫌いがない。正確に言うと、相手に合わせる。相手が甘いもの好きなら甘党になるし、辛いもの好きならアイスクリームに眉をしかめる。  で、その日は、相手が俺だからかも知れないけど、男2人でアイスクリーム。すいません甘いもの好きで。  どっちにしてもやっぱりハタから見るとヤバい構造だと思う。後のツトム(仮名)に言わせるなら「まあミツル(仮名)が受ってことでファイナルアンサーでしょう」。  でその2人に声をかけて来たのがサトコ(仮名)さん。  しばらくは再会の挨拶とか。後から考えれば、元カノというより戦友みたいな雰囲気。邪魔しない程度に隣でにこにこしてる俺with抹茶ジェラート、カップ、シングルで。  最初は「こっちは最後まで部外者のつもりでいたのに、話振られてちょっと慌てた」程度。「彼女いるの?」は(この手の人種には)挨拶程度だし。俺はいつものようにのらりくらりモードでかわすだけ。  でもサトコ(仮名)さんはやがてワタル(仮名)をベンチから追い出して俺の隣に座った。そして、とにかく確実に彼女なし(ついでに彼氏なし)ゲイではない(今のところ)フリー確定、を引き出すまで随分質問攻めにされた。  恋愛に鈍い男はそこまで言われても次の言葉が予想出来なかった。ワタル(仮名)はきっと大笑いだろう。  そう、サトコ(仮名)さんは、判り易くカマかけてくれていた訳だ。この俺に。
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