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12.演出サトコ(仮名)、主演ミツル(仮名)
そんな訳でとりあえず、サトコ(仮名)さんとはメールアドレス及び電話番号を交換した。メールについては作戦メールと偽装メールの2本立て。もちろん偽装メールは、ワタル(仮名)に見られることを意識して、サトコ(仮名)さんが俺にカマかけまくりモーションかけまくりの微妙な言葉のラッシュが続く。うまい。というかやっぱり電車男になった気分ですエルメスさん。
ワタル(仮名)とは当時からもう職場が違っていたけど、何せ賭けのもう片方な訳だし、ちょくちょく確認の連絡を入れて来たりする。彼は基本的にはメールより通話の人なので、作戦メールで打ち合わせて、わざとワタル(仮名)との話の間にサトコ(仮名)さんからのキャッチで割り込んで貰ったりして。
そのうち俺の方も、恋愛経験値を積んでみようかという当初の目的はすっかりすっ飛んでた。
どのタイミングでどうやって「付き合ってます」偽カムアウトをしようかとにやにやしながら相談してたりする始末。恋愛不感症というこの性質を知られてしまった相手に対してなら、割と俺は何の意識もしないで「友達」でいられるから、彼女とは、話すのもメールするのもちょっと楽しくなって来ていた。
とはいえ、やっぱり恋愛的な意味で好きではないんだけど。相変わらず。
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