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2.電車男というフラグ
電車男が一種のリトマス試験紙になった。
いつかたまたま昼を食べている時、女性に好かれるために自分の嗜好をガラッと変える、それがアリかナシか、という話になったのだ。
電車男という物語は、まあ色んな側面を持ってるけど、俺から見たらオタクな青年が相手のために努力して金かけて変身する話だ、と思う。
で、たまたまそこにいた3人は「俺には無理」と笑い飛ばして意見が一致した。
それがなんだか面白かった。まるで接点のなかった3人は、妙に気があったような気がした。
実際は全然価値観違うんだけど、でもその一点が──恋愛なんかのために自分を変えるのはめんどくさい、という一点が同じってだけで変な仲間意識みたいなのが出来た。
ツトム(仮名)は現実の女に用はないと言って憚らない。電波男は立ち読み程度しか知らないけど、多分論旨は同じなのだろうと思う。
ただツトム(仮名)はその言葉を、なんかソムリエがワインの由来でも説明するみたいな口調で、至ってクールにサラッと言う。その点では、電波男よりツトム(仮名)の方がさりげない。さりげないアキバ系って変だけど、なんというか、気負いがない。
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