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30.ステルスおたく
別の日の話。
実はワタル(仮名)とツトム(仮名)は俺と知り合う以前から知り合ってたし、ある程度お互いの素性(?)を話す程度には仲間だった。第一、例の「メイド喫茶行った」事件(?)は俺が2人と知り合うより前の話だったらしいし。
そもそも先に声かけたのはワタル(仮名)の側。この男は当時から無駄に人脈広げるのが好きだったから(本人談)、ツトム(仮名)は物凄く面白そうな人間に見えていたらしい。
ワタル(仮名)が最初に感じたツトム(仮名)評は「ステルス機」。会社にいれば会社員の顔だし、ゲームショップでゲーム漁ってる姿はアキバ系だし、ジム行ってる時は普通に爽やかだし、どこにいても馴染んでるから。
様々な「顔」を知ってしまうとそれを1人の人格として統合するのが難しいのに、でも不思議なくらい危うさのないバランスですらっと生きているように見える。
どれが本物の彼なのか。ツトム(仮名)自身が一番慎重に隠しているかに見えるのはやっぱりゲームおたくとしての一面なんだけど、ある程度知り合った人に対してはそれを隠すこともない。ただし、女性に対しては「死んでも言わない」と本人が明言してる。「それが礼儀だと思うから」
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