no_sex_is_life

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34.縁側の仔猫  その出来事があってから、俺はこいつって仔猫みたいだなーと思うようになった。  しばらく後になってワタル(仮名)に猛烈にアタックを仕掛けて来る女の子が現れて、でも当然彼女は当時(一応)本命(?)だった俺をライバル視することはなく(俺たち2人とも自分たちの関係を特に彼女に説明しなかったからなんだけど)、そこでいったん「付き合い」は切れている。  それから今に至るまで、とりあえず時々は甘ったれに来ることがある程度で、彼は彼でまた色んなタイプの女性を渡り歩く日々に戻っている。  俺は多分、あの仔猫にとっての縁側なんだろうな、と今でも思う。それは、後に俺に(これも一応というエクスキューズつきで)「恋人」が出来た後でも変わらない。「恋人」も理解はしてくれてるし。  ただ、なんかもう、味しめちゃったのか何なのか、容赦なく酔っ払うのはちょっと勘弁して欲しいとは思うけど。でもそれもまた。多分、俺以外の前では──「付き合ってる」女の子の前ですら──酔えないんだと思うから。
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