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46.それを恋と呼べたら
やがてalexと俺はお互いに、会うより前に「友情をほんの少し超えている気がする『好き』」になれそうな気がする、と確認して笑い合う(文字の上でだけど)までになった。
でもそれはまだ恋ではない。その認識もお互い一緒。多分、恋愛出来る日が来るとしても文字だけでは無理なタイプですね。それもお互い同意。
話の合間合間に入るわずかな情報から、かなり近い街に住んでいるのではと予想していた。改めて具体的な街の名前を出してみれば、その予想は大当たりだった。
そうなれば、意識は自然と1つの方向に向いて行く。
──会ってみませんか。
その言葉は、言い出したのはalexの方だけれど、俺もまたそう書くべきかどうか迷っていた所だった。
通じ合えている、という奇妙な高揚感があった。
以前出会い系に手を出した時には現実に会おうなんて思わなかったけれど、alexに関してだけは別だった。そう思えるからこそ、もしかしたらと期待度が高かった。
もしかしたら、ほんの少しだけ他よりも特別になれるのかも知れない。
そして。それを恋と呼ぶことが出来れば──もしかしたら。
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