1人が本棚に入れています
本棚に追加
49.蜜月
普段はメール。相変わらず携帯なのに長文。それでも、書くことが尽きないでいられた。お互いそれからしばらくは「何が好き、何がダメ」という話を延々と書き合っていた。
ファンタジー小説、少女まんが、J-POP、ペットボトルのお茶、テレビドラマ、ケータイの待ち受けFlash、セサミストリート、水曜どうでしょう(北海道のテレビ局が制作したバラエティ番組)、ビリヤード、SAN-Xのキャラクターたち(こげぱんとかたれぱんだとか、らしい)、その他色々。知らなかったはずのことにたくさん出会って、共有出来ることと出来ないことをたくさん見つけた。お互いのことをなるべく知り合おうとした。
そして時々はもどかしくなって電話する。そこでも話は盛り上がる。
気が合う面もある。合わないところもある。でも、基本になる人間関係に対する感性がほぼ同じだと安心していられるお蔭で、違いを違いとして楽しめている。
──そう、楽しめている。
どうして俺の心は、これを恋だと誤解出来ないんだろう?
最初のコメントを投稿しよう!