no_sex_is_life

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5.それもまた出会い  俺は出会い系サイトに手を出した。  最初に疑ったのは、恋に落ちるほどの魅力的な女性が周りにいないという可能性だったから。  いろんなタイプの人と話してみたかった。とりあえずは文字でもいいから。  とは言っても、怪しげなDMを送りつけて来るポイント制の出会い系サイトではない。  携帯では、メールアドレスを明かさない・文字数や文字種を極端に制限するなどの制約をつけて、いわゆる直アド(携帯会社から直接配給される、端末直付けのメールアドレス)や電話番号の交換を慎重に避けている、月額数百円程度の「メル友募集サイト」が結構ある。そういう所に数箇所、登録した。  露骨な(擬似)恋人メッセージは当然運営側からも女性側からも敬遠されるだろうと思ったので、物凄く当たり障りのないメル友募集に徹した。性別の制限もつけなかった。  何人とメッセージを交換したのか覚えてないけど、そのうち片手に余るくらいの子は、鈍い(というか恋愛というスキルを持ち合わせてない)俺にも判るように好意を示してくれていた。  こっちにはリアルで対面するつもりは全くなかったんだけど、話してるうちに住んでいる場所が近いと判った1人の子が、リアルの俺に興味を示すようになった。  俺はやんわり拒み続けていた。 そのうちに彼女は、俺がプロフィールで嘘をついている(主に性別で)と疑い始めて、捨てゼリフ吐かれてフェイドアウト。  出会い系自体の立ち回りにも慣れてなかった俺は、他人に自分を信じて貰えなかったという一点だけに頭が支配されてしまった。  頭を冷やそうとして、全てのサイトを解約した。  結局再登録はしなかった。  今でもその気にはなれない。というか、その必要がなくなった、と言うべきか(詳しくはそのうち書く…と思う)。
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