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53.ネズミ同士のケンカ
それからどういう話をしたのか忘れたけど、話がサイト「pure」のことになる。
時折起こる小さな論争に少しだけ心が痛む話。俺もそれは同意だった。
恋愛やセックスを「苦手」とする人は、まだ俺達よりはマシかも知れないという話を彼女が言い出した。少なくとも苦手と判断出来るセンサーを彼らは持っている。無関心派には、苦手とか好きとか判断出来るだけのセンサーが既にない。あるいは、壊れている。
手駒がない。前進も後退も出来ない。何処を向いていいのかも判らない手詰まり。そんな閉塞感が付きまとう。
だからこそ行動を起こしたくてたまらなかった、とユカリ(仮名)さんは言っていた。そんな時に俺に出会えたことは幸運だとも。
同じAセクなのに対立しているように見えるのは悲しいよね。隣の部屋に猫がいるのに、ネズミ同士で仲間割れしてケンカして楽しいのかなあ。
そんなたとえ話が、ちょっとだけしんみりした空気につながる。
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