強面のオッサンは豚汁がお好き

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 大学の講義が終わると、俺はいつも真っ直ぐに牛丼屋に向かう。  昼時も混むけど、夕方からもかなり混みだす店だけに、急がないと結構ヤバイ。昼間だけのパートで来ている高田さんは、時間キッチリに上がってしまうから、一人いないだけで、結構大変なのだ。俺は少しばかり、速足で人ごみの中を抜けていく。 「お、お疲れ様でーす」  息をきらせながら裏口から入ると、調理場で働いている宇井さんの姿が見える。  チラッと視線だけを向けて、おうっ、と声をかけてきた。俺はすぐにロッカー室に入ると、制服に着替える。店の騒めき具合で、すでにそこそこ混んでるのが伝わってくる。
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