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「くそっ。せっかく藤崎の弱み、見つけたと思ったのによ」
「坊ちゃん」
「あいつの澄ました顔が、無様に崩れるところ、お前らだって見たいだろ」
「まぁ……見てみたいといえば、見てみたいですけどぉ」
三人の話し声は、けして大きくはないけれど、俺の耳には入ってくるわけで。
話の内容から、あのオッサンのことを脅すネタでも探しにきた、ということだろうか。
スキンヘッドデブは『坊ちゃん』を『若頭』って呼んでたし、やっぱり『坊ちゃん』たちも、あの業界の人なんだろうか。
これ以上話しかけられたらヤバイと思った俺は、さっさと厨房の中へ逃げ込んだのは言うまでもない。
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