母親は山ほどのケーキに困惑する

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「マーくん、ムカつく」 「海老沢、いい加減にしろよ」  溜息をつきながら、食べ終えたゴミを小さなビニールにまとめる天童。俺のおにぎりについてたラップまで引き取ってくれてる。 「テンちゃん、酷ーい」 「はいはい、酷くて結構。海老沢、彼女と待ち合わせしなくていいのか」 「あ?彼女?」  チャラ男風の海老沢は、見てくれの割に、結構真面目に付き合ってる彼女がいた。同じ高校から一緒に進学してきたはずで、そういえば、この後の講義はその彼女も取ってたはず。いつも、俺と天童で「リア充爆発しろ」と文句を言ってたのだが、今日は珍しく、俺たちと一緒にいることに気が付いた。  俺と天童の視線が海老沢に向く。海老沢は「あー」と声を上げながら、上を見る。カフェの高い天井には、なにがあるわけでもないのに。そして、スッと俺たちの方に真面目な顔を向けた。 「別れた」 「え」 「ぇえっ?」  つい、先週まで、同じ講義に仲良く来てたのに。俺と天童は、思わず口をあんぐりと開けて海老沢を見つめた。
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