母親は山ほどのケーキに困惑する

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「まぁ、相手は気づいてないっぽいけどぉ」 「そ、そうなのか」  海老沢の言葉に、どこかホッとしたような返事をする天童。  まぁ、非リア充仲間が増えたのだ。今まで目の前で見せつけられてた俺たちにしてみれば、ある意味、平穏が訪れるというものだ。片思い、上等。応援だけなら、いくらでもする。 「まぁ、頑張れよ」  俺の言葉に、海老沢は満面の笑みを浮かべて、「頑張る~」と呑気に返事をする。その視線はやっぱり、天童を見つめてる気がするし、なぜか、天童が青ざめた気がする。  人の流れが出てきた。皆、次の講義へと動き出したようだ。俺は、カフェテリアの壁にかかった時計に目を向ける。 「やべ、そろそろ行かないと席なくなるぞ」 「おお、急ごうかー」 「……」  俺たちは、慌てて教室へと向かった。
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