母親は山ほどのケーキに困惑する

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 ケーキを貰ったその日は、シフトに入ってた店長も宇井さんも、翌日に入ってた高田さんもあすかちゃんも喜んでくれた。色んなケーキが入ってたおかげで、一人あたり二個、食べることが出来たのだ。  しかし、それが、一週間で三回目ともなると嫌になる。そう、三回だ。これって常識の範囲内……ではないよな? 「マサくん、さすがに飽きるというか……まだ昨日もらったの残ってるんだけど」  昨日の夜に入った和田くんが、甘い物はそれほど好きじゃないっていうので戦力外だったせいもある。宇井さんが洗い物をしながら、困ったような笑顔を浮かべてる。 「ですよねぇ……」  今回も同じケーキ屋の箱を片手に、俺は苦笑いを浮かべるしかない。  宇井さんの言葉に、俺も同じ思いです、と言いたい。というか、実際、ケーキを受け取る時だって、みわ子も困ってたのだ。
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