母親は山ほどのケーキに困惑する

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「芦原さん、本当にありがたいんですが……」 「いやいや、私の気持ちなんで」 「でも……」  芦原と呼ばれたおっさんの言葉に、押され気味のみわ子。  どうせなら、調理場にいる人がフォローにでも入ればいいのに、誰も助けに行こうとしない。それもそのはず。おっさんの後ろには、ヤバそうな雰囲気の男が二人もついてるんだ。  二人とも暗めな色のスーツを着てるけど、顔つきがどう見ても一般ピーポーには見えないんですけど。あの紅ショウガ好きの『坊ちゃん』と一緒にいた黒服の方を思い出す。あれじゃぁ、無理だわ。俺だって足が竦むもの。
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