母親は山ほどのケーキに困惑する

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 そして。おっさん、どう見てもみわ子狙いじゃねぇか、と俺でもわかった。  おっさんのあのデレてだらしない顔。でも、その気持ちはみわ子には通じてないように見える。だって、貼り付いてる笑顔、完全に作り笑いだもの。 「いいから、いいから。皆さんで食べてくださいよ」 「はぁ……じゃぁ、これはいただきますけど……」  結局、困った顔で受け取るみわ子。強引に持たされると拒否できないんだよなぁ。だからといって俺も間に入る勇気もない。  おっさんの後ろに立ってた男が、調理場のほうから出てきたおばあちゃんから店のロゴ入りの大きな袋を渡される様子を伺ってるしかなかった。
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