母親は山ほどのケーキに困惑する

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「ありゃ、みわ子ちゃん狙いでしょうよ」 「な、なに言ってるのよ、ヤスコさん」  したり顔で言うおばあちゃんに、みわ子は慌てたように言う。  まぁ、俺だって気づくんだもの、おばあちゃんの言う言葉は、外れではないはずだ。 「だって、ここのところ毎日じゃないかい。まぁ、あれだけ特上コロッケを買っていってくれるんだから、ありがたいけどさぁ」 「え、毎日?」  俺が驚いた顔でおばあちゃんに言うと、真面目な顔してうんうんと頷く。 「そうなんだよ。なんでも、どこだかいう建設会社の社長だっていうんだけど……ありゃ、どう見たって堅気には見えないよねぇ」 「……ヤスコさんってば」
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