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「三村サンはそんなミニスカはあんまり好きじゃないと思いますよ」
「ミニスカ?」
「篠田さん、今はいてるじゃないですか」
「これ?これ短くないですよ。椅子に座ってるから膝より少し上に見えるだけで、パンツだって全然見えないし、むしろ見えそうでもないですよ」
松田は鼻の辺りに右手の人差し指を持ってきて、声を出して笑うのを必死で抑えているようだったが、くっくっくという押し殺した声が確かに耳の奥まで鳴り響いてきた。頼むから笑うなら大声で笑ってくれ。何がおかしいのか全然わからない。
「どちらにしてもそのスカートじゃ好かれないってことですよ」
「はあ?じゃどうしろっていうんです?三村サンに好かれる服装で来いと?服装なんかで好かれてもうれしくありません。はじめはいいかもしれませんけど、絶対飽きられますよね?三村サンに捨てられるあたしを見たいわけですか」
できる限り小声で反論したがつい力が入ってしまった。本当は三村サンが好きな格好があるなら率先して身につけたいのだが、もちろんそんなこと松田には言えない。
「捨てられるも何も付き合うにいたらないじゃないですか」
誰か……こいつをつまみ出してください。ミニスカは好かれないってお前が言い出したことだろうが。
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