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あぁ、何でだろう、どうしてだろう。他にいい男はいっぱいいるのに。後藤くんとか久我山くんとかめっちゃかっこよくて仕事できてスポーツ万能で頭もよくてみたいな。でも、そんな何でもできる男はもともと好みじゃない。やっぱりあたしは大人になってもやんちゃで子どもの心を忘れないようなバスケットボールみたいに弾むような男の人がいい。
下ネタでげらげら笑うことができるような単純な人でいい。仕事に誇りを持ってがんばってくれる人もいいし、スポーツなんかもやってくれたらなおいいけど、一番大切なのってくだらないことでも笑ってくれることだと思う。いっぱい一緒に笑ってくれる人。毎日笑顔をくれる人。
でも、やばいんだよ。今回は全然違う。下品な言葉を発した瞬間目で殺されそうなくらい清潔感があって、潔癖な感じがする。常にハンカチとティッシュ持ち歩いてるあの人。女の子だって両方持ち歩いてる子ってそんなにいないと思う。あたしだってハンカチ持ってたらこと足りるし、そりゃティッシュだってあった方がいいに決まってるけど、やっぱり常に持ち歩くってすごいことだと思う。
何で好きになったんだろ、クラスの優等生で学級委員みたいな三村サン。きっと若いころに万引きとか、隠れてタバコ吸ったりとか、無免許運転したりとか全くないんだろうな。いやいや、あたしがしてたわけじゃないよ。これは例え話。一般論。だいたい、三村サンだって今でこそ優等生の学級委員みたいだけど、若いころやんちゃしてないといえなくもないかもしれない。九十九%してないだろうけど。
とにかく、困るんだよ。こんな人好きになると。うまくいかないことはわかってる。こういう人があたしみたいなのタイプじゃないことは痛いほどわかってる。だてに三十年も生きてない。そしてこういう人の前でいかに自分が素直になれないかもよぉくわかってる。だから、どんなに好きになったってうまくいきっこない。
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