砂の天球街(てんきゅうがい)

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 風で砂が吹き上げられふのはもちろんですが、なにより隕石落下の後がヒドイです。  空から降って地面に当たった隕石が、砂ボコリを舞い上げて空気を漂うので、目にも砂が入ってチクチクするし、肺に入いると息が出来なくなります。  バディのアルミは、長いこと町に暮らすからか「じきになれる」と言いますが、それまで我慢するのは辛いです。  歩いている間は僕もアルミも、首に巻いたバンダナで口と鼻を覆って、砂を吸わないようにしてます。  砂ボコリも辛いけど、歩いている間のアルミの小言を聞くのも辛い。 「私とバディを組むなら、ちゃんと打ち返せないと困るのよ」 「ご、ごめん」 「簡単に打ち返すようになるには、フルスイングが1番ね」  先頭を歩く彼女が後ろを振り返ってたので、僕は驚いて止まる。  担いだハンマーの重みで身体がよろけた。  ハンマーを持ち直すと、アルミが続ける。 「いい? まず隕石を真っ直ぐ見るのよ。そして腰を落としたら足場を固定して、身体のブレを抑える」 「腰を落とす?」  やってみると、すぐさまアルミの手直しが入る。 「それじゃ、へっぴり腰じゃない。足を大きく開いて? そうすると、身体の軸が真っ直ぐになって上半身が安定するから」 「わ、わかった」     
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