命をはる仕事はマニーが高いのよ

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命をはる仕事はマニーが高いのよ

 ハンマーを振り回して、命懸けの仕事をする。  こんな仕事、好きでできるものなの? 「アルミは何で流星打ちなんて、危険な仕事してるの?」 「お金がもらえるから。それだけ」 「それだけ?」 「私、パパもママも5歳の時に降ってきた隕石に当たって、死んじゃったんだ」 「えっ……」  まずい、これは爆死する質問だ。  アルミは構わず話す。 「家も隕石で壊れたし、それでストリート生活」 「へぇー……」会話しずらい。   「で、ゴミ拾ってお金稼いでたんだけど、1日中ゴミ拾いしても、ジャガイモ1個くらいのお金しか稼げなくて。毎日おなか空いてたの」   大変だったね、とか言ったほうがいいのか?  これ、どう話を返せばいいの? 「3日くらい空腹で我慢できなかったとき、その辺の雑草を食べたんだけど、それ毒だったのよ」 「毒?」 「それでストリートで死にかけたわけ」  想像も出来ないようなできことに息を飲んだ。  彼女は赤ちゃんの頃に、ひっくり返ったことのように軽々と話す。 「そうそう。その時、たまたま通りかかった人に病院へ連れてってもらって命拾い。その助けてくれた人がウチの店のオーナー」 「え? そうなの?」     
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