流星街の孤児達

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「アルミお()さんでしょ」  語気を強めたアルミは眉を吊らせて、言い直させようとした。  野良犬のように目付きの悪い、5歳くらいの男の子。  ボサボサの黒い髪に白いTシャツとボロボロの短パンを着ている。  生意気な男の子はアルミにつめ寄った。 「いつになったらハンマーくれるんだよ?」 「アトム。あんたには、まだ早いわよ」  アトムと呼ばれた少年は、冷たくあしらわれたことに対して、ムキになり噛み付く。 「オレがハンマー持ったら、アルミよりも隕石を打ち返すぜ!」 「流星打ちをナメるんじゃないわよ。だいたいあんた、ハンマーを持ち上げられないでしよ?」 「俺はもう5歳だ! ハンマーくらい持ち上げられる!」 「そう? じゃぁ、どうぞ」  アルミは肩に担いだハンマーを、生意気なアトムに渡した。  突き出されたハンマーを両手で持つと、さっきまでの威勢はどこへいったのかアトムは、しばらくハンマーを持ったまま動かなくなった。  それから小さな身体が震え出して、ハンマーごと前のめりに倒れそうになると、アルミが男の子を捕まえ、ハンマーを取り上げた。 「ほら? ハンマーはあんたが大きくなって、力かついてからよ」 「俺は力持ちだぁ!」     
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