流星街の孤児達

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 負け犬の遠吠えとしか言いようがない。  僕を怒鳴るようにアルミが大きく息を吸うと、吐き出す前に猫のような動物がお腹に飛びついて、彼女の貯めこんだ空気を逃した。 「アルミお姉ちゃん!」 「ウラン!」  ひな鳥のようにヨタヨタ歩いて来た、小さな女の子がアルミにしがみついて、離れようとしない。  アルミはしゃがむと、ひな鳥のようなウランを抱きしめて、ほっぺたに寄せた。 「ウラン、ただいまぁ! ん? あんた、また瓦礫の中で遊んでたでしょ? 髪が砂だらけじゃん」 「瓦礫の中、トンネルみたいで面白いよ!」 「瓦礫は崩れるから危ないって、何度も言ったでしょ?」  アルミは生意気な少年を睨んで叱る。 「ちょっとアトム。あんたお兄ちゃんなんだから、止めなさいよ」 「うるせぇ! 母ちゃんみたいに言うな」  ふてくされた少年は駆け出し、そのままどこかへ行ってしまった。  妹のウランが追いかける。 「お兄ちゃん!」   「コラッ、アトム! ウラン! 晩ゴハンには店に戻ってきなさいよ!」  お姉さんというより、本当にお母さんみたいだ。  アルミの家族? 「あの2人はアルミの弟と妹と?」  じゃじゃ馬娘が少しうつむきながら、首を横にふった。     
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