綺羅星堂。星の宝石箱

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 隕石を研磨して加工したり、隕石同士を合成して全く別の素材に変えたり、それはランプやストーブに火を点けたり、電波を発して遠くの人と話をしたりと、それは【ガラ(ダマ)】と呼ばれ、町の人々には欠かせない燃料です。  ちなみに綺羅星堂の天井に吊るしたシャンデリアは、ガラ玉をランプに使っていて、暗くなると自然と発光。  燃料以外にも、アクセサリーとして売られており、観光でやってくるお客さんのお土産として、喜ばれます。  トレーに並べられた隕石は琥珀(こはく)色、翡翠(ひすい)色、藍色と、色とりどりの宝石のように輝き、水晶のように透明な物もあれば、水晶の中に氷の結晶のような模様が閉じ込められた物も。  後は「メノウ」と呼ばれる、年輪のよう波紋型模様の商品など、種類は豊富。  何種類あるんだろ?  綺羅星堂自体が宝石箱のようなお店です。  僕は流星打ちが終わると、店内が見渡せるカウンターで会計をしながら、アルミの仕事を見学。  来店するお客さんは、はしゃぎ回る子供を連れた母親。  手に取ったガラ玉を食い入るように見つめる、隕石コレクターのおじいさん。  勉強道具を持った、学校帰り女子。  様々なお客さんが来店します。  今、僕と歳が同じくらいの女の子が、店内を見て見て回った後、店員であるアルミにガラ玉について聞こうとしてます。  なんだか少し言いづらそう。 「あ、あの……す、好きな人と、両想いになれるガラ玉を探してて……」     
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