綺羅星堂。星の宝石箱

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「だったら、これがいいですよ」  さすがに、じゃじゃ馬アルミも、接客の時はしゃべり方が変わります。  花のような笑顔を見せるアルミは、トレーから平べったい板を取って見せた。  板は屋根のついた家を正面から見たような形で、屋根の形にガラ玉がはめこまれている。  アルミは商品の丁寧に説明。 「この板に自分と好きな人の名前を書いて、木や神殿の壁に吊るすと、はめ込んだガラ玉が願いを叶えてくれるんです」 「名前を? これなんて言う商品ですか?」 「絵馬(エマ)ストーンです」  アルミはお客さんに絵馬ストーンを渡すと、お客さんは手に取った板をマジマジと見つめた後、決断。 「これ、いくらですか?」  僕はカウンターでお客さんのお金を受け取る。  石で作られたソロバンで、お釣りを計算して間違えがないか、手元のメダルをよく確認。  会計が終わると、お客さんを見送った。  特にお客さんに喜ばれるのは、お守りや願掛け、まじないの効果がある物。  しょっちゅう流星が降る危険な町だから、不思議な力に頼りたくなるんだと思います。 
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