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胸に描かれたピンクのTシャツは、女の子に流行りの目と牙をむき出しにした怪獣のイラスト。
その怪獣の顔よりも怖い顔で責め立てる。
「最後まで降ってくる隕石を見とかないで、どうやってハンマーに当てんのよ?」
「そうだけど……危ない!!」
アルミの後ろに隕石が向かって来る。
後、5メートルくらい。
このままだと頭に当たって、アルミが死んじゃう!
彼女は振り返りながら、片手で背丈と同じ長さのハンマーを振りかぶる。
隕石は彼女のハンマーに当たって、空へ押し戻された。
圧倒されて僕は「すごい」としか言いようがない。
僕と相棒を組む、アルミのヒットフォームは「スカッシュ」
けど、アルミの凄さはこれだけじゃなかった。
彼女は得意気に言う。
「ここから面白いわよ?」
打ち返された隕石は、続いて降ってくる隕石に当たる。
アルミが跳ね返した隕石は、ジグザグに飛んで落下する流星を、次々に弾き飛ばしていった。
まるで青空のピンボール。
すごい! イナヅマが、空を駆け上がってるみたいだ。
ピンボールみたいに当たった流星群は、花火のように火の粉飛ばして砕ける。
今はお昼だけど、夜だったらキレイだろうなぁ……。
アルミの仕事ぶりを見せつけた後、こっちを向いて一言。
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