1人が本棚に入れています
本棚に追加
今朝も時間ぴったりの集合。
お互いの家が向かい合っているので、俺も彼女もエントランスを出ればご対面だ。
煌めく陽光を反射して、小雪がキラキラと舞っている。だけど、これくらいなら大丈夫だろう。
俺はいつもと変わらない調子で彼女に声をかけた。
「おはよ、ルナ。寒みーな。雪降ってるし。どうする学校? このくらいならまだバイクで行けそうだけど?」
「おはよ! 確かに寒いね。……今日はバスで行こうよ。遅くなるけど、まあ、なんとかなるでしょう?」
ルナもいつもと同じ笑顔で答える。
バイクなら、ルナと二人乗りして、ゆっくり走っても二十分で学校に着くが、バスだともう少しかかる。
まあ、ルナは最初からバスで行くつもりだったのだろう。
普段はヘルメットをかぶるために髪をおろしているが、今朝はしっかりと髪を結い、リボンをつけてオシャレをしていた。
これはこれで似合っているし、可愛いとも思う。でも俺はバイクの密着感のほうが好きだった。
俺はそんなことを思いながら、ふとルナが手にしているモノに気づいた。
「それホットドッグ? まさか歩き食いするつもり?」
「アハハ、まーいいじゃない。すぐに食べ終わるから気にしないで」
最初のコメントを投稿しよう!