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そう笑い飛ばしたルナは悪びれる様子もなく、手が汚れないように紙袋に入れたまま、剥き出た頭の部分をぱくりとほおばった。
満面の笑みで、もぐもぐと咀嚼。そして衝撃のひと言を発した。
「別にバスだから食べてるわけじゃないわよ? いつもバイクの後ろで食べてたの知らなかった?」
「ファッ!?」
俺は驚愕のあまり素っ頓狂な声をあげると、思考をフル回転。猛烈に否定を始めた。
――バカな。バイクでニケツの最中にホットドッグが食えるわけがない。だって喉乾くし、風圧とかもあるし無理!
って、一年近く一緒に乗ってたのに気づかなかったのかよ俺っ!
考えているうちにだんだん惨めになってくる。4秒間の自問自答。答えは――。
「ま、まあ、そういうジョークもあるよね? ……朝からカマすね」
苦し紛れに出たセリフだ。するとルナは軽快にはねのけた。
「いやーそれが走りながらでも結構イケるのよね。……あっ、でもコレ、ホットドッグじゃないよ? なんだか分かる?」
「ファイッ――!?」
俺はまた驚いて、ハイッ? と WHY! を混ぜた謎の発音をしてしまう。だって……
――ええっ!? マジでバイクの後ろで食ってたの? 走行中に? ウソでしょ? てかなんでホットドッグの話し? バイクの話しはどーしたのよ? ホットドッグじゃないってどゆこと!?
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