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「いや、知っているんでしょ?」
「知らねえよ!! 勝手に鬼とかなんとか言ってろよ。姉さんには変わらないだろうが」
小町大輔は無臭に腹が立ち、背中越しのままの姉の小町沙織に声を荒げ、途絶えさせた。
「ねぇ、私のどこを愛してくれているの?」
「そんなこと聞かれても説明しようがないよ」
「説明してよ」
「全部だよ。姉さんのことを苦しめたクソ親父を殺しても俺は姉さんが好きだよ。いや、愛している、いや、言葉なんぞに表現する価値のないぐらい激しく姉さんのことを想っているんだから」
「私はどうすればいいの? あなたになにをされればいいの?」
「俺に抱かれたらいいじゃないか?」
「なんで疑問系なの? それなら私を壊すぐらい激しく抱きなよ。この先の人生そのものすべてを破壊するぐらい」
「いいのか?本当に」
「好きにしてよ。そして、好きなだけ私をもてあそべばいい」
姉の沙織は弟に背中を見せたまま、生温い熱湯の屍から立ち上がっては、今から抱かれる男へ振り返った。
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