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血の繋がった弟の関係から、ただの男となった小町大輔も血飛沫ではなく、綺麗にしてくれた姉をほんのわずかだが癒してくれただろうぬるい水に身体を濡らされた姉からひとりの女となった小町沙織へふり返り、顔をあわせた。
小町沙織は神妙な表情。
小町大輔は緊張した表情。
小町大輔は我が目を疑うほど、月光の光に浴びては白すぎる肌が青白くなった濡れた裸姿の小町沙織を見た途端、心臓の鼓動が一瞬おおきく跳ね上がり、急速に激しくいきがくるしいほど鼓動がうたれてはどうすればいいのかわからなくなってしまった。
頭のなかは真っ白となった。
先に動きだしたのは小町沙織だった。
血で濡れてはいないが、眼に映ることはないが、まだ赤黒い蛆虫が湧き人肉を食い荒らす手をもちあげ、小町大輔の?を自身の数多な人を殺めてきた日本刀を撫でるように触れさせた。
触れられた瞬間、情けなくも小町大輔は肩をびくんっとあげては震えていた。
小町沙織はそんな男として認めた大輔を見い、無意識に?が緩み、声をかけた。
「あなたが私を誘ったのよ?だから怖がらないの」
「う、うるせぇ!」
「素直じゃないね」
「なにがだよ?」
「本当は怖いくせに」
「怖くなんかねえよ!」
あはは、と、ただの大人の女性となってしまった小町沙織はあまりにも子供じみた小町大輔の反応を見ては、ささやかな笑い声をもらしては、残された手を彼の?ではなく、心臓がある胸へそおっと触れた。
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